辻村真人

つじむら まひと
辻村 真人
プロフィール
本名 辻村 眞人
(つじむら まひと)[1][2][3]
性別 男性
出身地 日本の旗 日本東京府荏原郡世田ヶ谷町
(現:東京都世田谷区[1][4]
生年月日 (1930-04-14) 1930年4月14日
没年月日 (2018-11-27) 2018年11月27日(88歳没)
血液型 AB型[4]
職業 声優俳優
事務所 81プロデュース(最終所属)
公称サイズ(時期不明)[4]
身長 / 体重 144 cm / 53 kg
活動
活動期間 1947年[4] - 2018年[5]
声優:テンプレート | プロジェクト | カテゴリ

辻村 真人(つじむら まひと、1930年昭和5年〉4月14日[6][2] - 2018年平成30年〉11月27日[5])は、日本声優俳優東京府荏原郡世田ヶ谷町(現・東京都世田谷区)出身[1][4]81プロデュース所属[6]

略歴

芸歴:テアトル・ピッコロ→劇団こまどりテアトル・エコーぷろだくしょんバオバブ→81プロデュース[2]早稲田大学卒業[2]1947年ラジオドラマ人魚姫』の村人役でデビュー[7]映画初出演作は『倖せは俺らの願い』。テレビ初出演作は『暴れ頭巾』。伊丹十三監督作品では脇役として顔出し出演している。

2013年以降は仕事を徐々にセーブしており、一部の担当していた役を交代している。

2018年11月27日老衰のため死去[5]。88歳没。訃報は11月29日に所属事務所より公表された[8]

人物

声種ハイバリトン[9]。特技は関西弁東北弁[4]

しわがれた声が特徴で、若いころから老け役が多かったという[6]テアトル・エコー時代から「仮面ライダーシリーズ」の怪人役で知られる[6]

エピソード

子供のころはボーイソプラノのような美声であったが、俳優になったころに合宿で毎晩「外郎売」を大声で張り上げていたため声帯を痛め、しわがれた声になったという[6]

水島裕、かないみかなどの後輩からの愛称は「つ~さま」(つー様、つーさま[10][11][12])。

『仮面ライダー』関連

『仮面ライダー』の怪人役では枯れた金切り声が特徴とされ[2]、多くの怪人役を演じたが、後年のインタビューでは「覚えているのは最初に演じたかまきり男だけ」と述べている[6]

かまきり男役では、台本にはうめき声ばかりで台詞が書かれておらず、「役者にやらせなくてもよいのではないか」とマネージャーに苦言を呈したという[6]アフレコでは、最初にフィルムを確認した際にしゃべっている箇所を黙って確認していたところスタッフに「なんで合わせてしゃべらないんだ」と怒られ、その後テストを行なうという段階で辻村はテストをやらなくても合わせられると食ってかかり、実際に1度で合わせスタッフを驚かせたという[6]。辻村はこのことが音響に気に入られ出番が多くなったのだと推測している[6]

怪人役の声優のなかでは、峰恵研沢りつおらは辻村とは声質が違ったが、槐柳二は声の印象が似ているため競争意識があったという[6]

『仮面ライダー』が放送されていたころ、甥に話しかけた際に「かまきり男の声だ!」と言われて怖がられたことがあり、「声色を変えていても、子供には分かるんですね」と語っている。また長男を幼稚園に送り迎えしていたころに、仮面ライダーごっこをしていたとおぼしき園児が「かまきり男」と言いながら飛びかかってきたため、かまきり男の声で応対したところ、園長から止めるようたしなめられている[6]

出演

太字はメインキャラクター。

テレビドラマ

  • 暴れ頭巾(1954年、NHK
  • 事件記者 第47話「共犯」(1960年、NHK総合
  • 大河ドラマ
    • 花の生涯(1963年) - 寺川幸助
    • 赤穂浪士(1964年)
    • 源義経(1966年) - 四郎
    • いのち(1986年) - 乗客
    • 独眼竜政宗(1987年) - 鮎貝日傾斎
  • 七人の刑事 第2シリーズ 第142話「ある不在証明」(1967年、TBS
  • 鬼平犯科帳 第11話「老盗の夢」(1969年、NET/ 東宝) - 富の市
  • プレイガールシリーズ(東京12チャンネル
    • プレイガール
      • 第64話「女はギリギリで勝負する」(1970年) - 倉重
      • 第75話「男殺し裸の牝猫」(1970年) - 蜂山
      • 第90話「おんな勝負の賭けどころ」(1970年)
      • 第107話「狂い咲き残侠伝」(1971年) - 野呂
      • 第126話「暴力教師罷り通る」(1971年) - 馬場
      • 第144話「八丈島(恥)物語」(1972年) - 鵜の目
      • 第158話「暴力教師、爆発す!」(1972年)
      • 第256話「大雪原の裸地獄」(1974年) - 教頭
    • プレイガールQ 第62話「初笑い!裸でびっくりお色気合戦」(1976年) - おかま
  • 特別機動捜査隊 第525話「ポルノイン東京 女人百景」(1971年、NET) - 小林
  • 天皇の世紀 第五回「大獄」(1971年、朝日放送) - 表坊主
  • 大盗賊(1974年、フジテレビ
  • ユタとふしぎな仲間たち(1974年、NHK) - ジンジョ
  • 太陽にほえろ!日本テレビ / 東宝
    • 第175話「偶像」(1975年)
    • 第275話「迷路」(1977年)
    • 第353話「ラスト・チャンス」(1979年) - 目撃者
  • 熱中時代(日本テレビ)
    • 第1シリーズ 第11話「涙の父母参観日」(1978年) - 授業参観の父親
    • 刑事編 第6話「アイ・ラブ・タケシ」(1979年) - 管理人
  • もっとあぶない刑事 第14話「切札」(1989年、日本テレビ) - 暴力団組長

映画

  • 倖せは俺らの願い(1957年)
  • 日本一の断絶男(1969年) - 関東組子分
  • 夜の最前線 東京(秘)地帯(1971年) - 土屋
  • ゴルゴ13(1973年) - エグバリの声
  • タンポポ(1985年) - 小さい乞食
  • マルサの女(1987年) - 菊池
  • バカヤロー!2 幸せになりたい。第四話「女だけトシとるなんて」(1989年) - 瀬間折蔵

テレビアニメ

1964年
1967年
1969年
1970年
1971年
1972年
1973年
1974年
1975年
1976年
1977年
1978年
1979年
1980年
  • 怪物くん(テレビ朝日版)(ミスターシャドウ)
  • トム・ソーヤーの冒険(ピンカートン)
  • ニルスのふしぎな旅(老羊)
1981年
1982年
1983年
1984年
1985年
1986年
1987年
  • シティーハンター(1987年 - 1991年、徹、おじさん) - 3シリーズ
  • ドラゴンボール(村長)
1988年
1989年
1990年
1991年
1992年
1993年
1994年
1995年
1996年
1997年
  • 剣風伝奇ベルセルク(1997年 - 1998年、フォス)
1998年
1999年
2000年
2001年
2002年
  • アソボット戦記五九(老アソボット)
  • ONE PIECE(2002年 - 2009年、大玉、バンバン爺、ペッコリ〈長老〉)
2003年
2004年
2005年
2006年
2007年
  • ゲゲゲの鬼太郎(第5作)(ガラッパ)
  • ケロロ軍曹(超絶プラモ大魔王)
  • ドラえもん(テレビ朝日版第2期)(長老、ジジ)
2008年
2015年

劇場アニメ

1962年
1969年
  • 長靴をはいた猫(ねずみたちの父親)
1970年
1978年
1981年
1983年
1984年
  • 風の谷のナウシカ(ジル[22]
1989年
1991年
1992年
1995年
1996年
2011年

OVA

1985年
1986年
1987年
1988年
1990年
1991年
1992年
1993年
  • サンリオ世界名作映画館(帽子屋[27]
  • 絶対無敵ライジンオー みんなが地球防衛組(タイダー[28]
1994年
1998年
1999年
2000年
2008年
  • 魔法先生ネギま! 〜白き翼 ALA ALBA〜(近衛近右衛門)
2009年
  • 魔法先生ネギま! 〜もうひとつの世界〜(近衛近右衛門)

ゲーム

1990年
1991年
1992年
1993年
1994年
1995年
1996年
1997年
1998年
  • 仮面ライダー(ヒルカメレオン)※ライブラリ出演
  • ポポローグ(ゼノン)
1999年
2000年
2001年
2002年
2003年
2004年
2005年
2006年
2007年
2009年
2015年
2019年

ドラマCD

吹き替え

俳優

ミッキー・ルーニー
ロバート・プロスキー

映画(吹き替え)

ドラマ

アニメ

特撮

1966年
1967年
1968年
1969年
1971年
  • 仮面ライダー(1971年 - 1973年、かまきり男の声[6]、ドクガンダーの声、ムササビードルの声、ナメクジラの声、カメストーンの声、ドクモンドの声、ウニドグマの声、イソギンジャガーの声、クモライオンの声、カナリコブラの声、ナメクジキノコの声、ヒルカメレオンの声)
  • シルバー仮面(ピューマ星人の声)
  • チビラくん(ババヤンの声)
1972年
1973年
1974年
1975年
1976年
  • 宇宙鉄人キョーダイン(サイクルマンの声、トケルンガーの声)
  • 円盤戦争バンキッド(1976年 - 1977年、ワイゼル中尉の声、エヌバル少佐の声、ジードウ中佐の声)
  • ザ・カゲスター(コウモリ男の声、キバイノシシの声、ハエドブラーの声、カニガブラーの声、バッファローギューの声)
  • 超神ビビューン(1967年 - 1977年、モエゾの声、アマノジャキの声、ノッペラー〈再生ノッペラボー〉の声、再生ガマガンマの声、再生カネダマの声)
1977年
1979年
  • 新・仮面ライダー(1979年 - 1980年、コブランジンの声、アオカビジンの声)
1981年
1995年
1997年
1998年

人形劇

ラジオドラマ

ボイスオーバー

舞台

その他コンテンツ

後任・代役

辻村の高齢および死去に伴う代役・後任は以下のとおり。

ただし、ほかの声優も総入れ替えされた作品(『アークザラッド R』のゴーゲン、後任:秋元羊介))はこの趣旨から外れるため、この表には記載しない。

後任 役名 概要作品 後任の初担当作品
浦山迅 大川平次渦正 / 学園長 忍たま乱太郎 第21期
秋元羊介 トム・クウ ポリス・ストーリー/香港国際警察フジテレビ BD追加収録部分
中村浩太郎 カウボーイ ゲッタウェイテレビ朝日 WOWOW追加収録部分
鈴木琢磨 アボガドじいや それいけ!アンパンマン 第1392話
多田野曜平 ワックスフラッター教授 ヤング・シャーロック/ピラミッドの謎フジテレビ WOWOW追加収録部分
ロバート バンデットQ』テレビ朝日版 35周年BD追加収録部分
河本邦弘 ゴーファー 『くまのプーさんシリーズ』 キングダム ハーツIII

脚注

[脚注の使い方]

出典

  1. ^ a b c “辻村 真人”. タワーレコード. 2020年1月4日閲覧。
  2. ^ a b c d e 仮面ライダー怪人大画報 2016, pp. 196–197, 「仮面ライダー スタッフ・キャスト人名録 2016年版」
  3. ^ 『日本タレント名鑑 2012』VIPタイムズ社、2012年、245頁。ISBN 978-4-904674-03-1。 
  4. ^ a b c d e f “辻村真人”. 日本タレント名鑑. VIPタイムズ社. 2018年7月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年1月4日閲覧。
  5. ^ a b c “声優の辻村真人氏死去 「忍たま乱太郎」初代学園長”. 産経ニュース (2018年11月29日). 2018年2月8日閲覧。
  6. ^ a b c d e f g h i j k l OFM仮面ライダー9 2004, p. 30, 小川びい「仮面劇の主役たち ライダーを支えた10人の声優 第5回 辻村真人の巻」
  7. ^ 『仮面ライダーV3大全』双葉社、2001年、188頁。ISBN 4-575-29235-4。 
  8. ^ “声優の辻村真人さんが死去 88歳 『風の谷のナウシカ』ジルや『SW』シリーズのヨーダなど”. ORICON NEWS (2018年11月29日). 2018年11月29日閲覧。
  9. ^ 『日本音声製作者名鑑2007』小学館、2007年3月25日、73頁。ISBN 978-4-09-526302-1。 
  10. ^ “辻村真人さん”. 水島裕オフィシャルブログ (2018年11月30日). 2019年11月28日閲覧。
  11. ^ “辻村真人さん”. かないみか (2018年11月29日). 2019年11月28日閲覧。
  12. ^ “辻村真人先生”. 根本圭子 (2018年11月29日). 2019年11月28日閲覧。
  13. ^ 決断 - メディア芸術データベース
  14. ^ 尾形英夫 編「声のヒーロー37人総登場」『ロマンアルバム(4) テレビランド増刊号 デビルマン』徳間書店、1978年2月25日、75頁。 
  15. ^ 赤星政尚 編「PICTURE ENCYCLOPEDIA OF DAEMON」『デビルマン解体新書』講談社、1999年2月10日、110頁。ISBN 4-06-330070-6。 
  16. ^ “アラビアンナイト シンドバットの冒険”. 日本アニメーション. 2016年6月3日閲覧。
  17. ^ “トンデモネズミ大活躍”. 日本アニメーション. 2016年5月18日閲覧。
  18. ^ “ブレーメン4 地獄の中の天使たち”. 手塚治虫公式サイト. https://tezukaosamu.net/jp/anime/58.html 2016年5月3日閲覧。 
  19. ^ “魔法のエンジェルスイートミント”. KING AMUSEMENT CREATIVE. 2016年7月2日閲覧。
  20. ^ “絶対無敵ライジンオー”. エルドラン公式サイト. サンライズ. 2022年3月4日閲覧。
  21. ^ “スタッフ&キャスト”. 忍たま乱太郎. NHK. 2012年5月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年5月22日閲覧。
  22. ^ “風の谷のナウシカ”. 金曜ロードSHOW!. 2016年6月2日閲覧。
  23. ^ “映画 忍たま乱太郎 (1996)”. allcinema. スティングレイ. 2024年6月6日閲覧。
  24. ^ “劇場版アニメ 忍たま乱太郎 忍術学園 全員出動!の段”. 2022年5月11日閲覧。
  25. ^ “OVA2 絶対無敵ライジンオー 初恋大作戦!”. 絶対無敵ライジンオー. 2022年9月24日閲覧。
  26. ^ “OVA3 絶対無敵ライジンオー 陽昇城カラクリ夢日記”. 絶対無敵ライジンオー. 2022年9月24日閲覧。
  27. ^ 『声優事典 第二版』キネマ旬報社、1996年、194頁。ISBN 4-87376-160-3。 
  28. ^ “OVA4 絶対無敵ライジンオー みんなが地球防衛組”. 絶対無敵ライジンオー. 2022年9月24日閲覧。
  29. ^ “ポリス・ストーリー/香港国際警察(「ポリス・ストーリー トリロジー ブルーレイBOX 〈完全日本語吹替版〉」収録作品)”. paramount pictures. 2024年4月11日閲覧。
  30. ^ “アップルポップ”. 折笠愛 公式ブログ (2018年4月14日). 2021年8月5日閲覧。

参考文献

  • 小川びい『ロマンアルバム アニメ声優ハンドブック こだわり声優事典'97』徳間書店 1997年3月10日発行
  • 『KODANSHA Official File Magazine 仮面ライダー』 Vol.9《仮面ライダースーパー1》、講談社、2004年9月10日。ISBN 4-06-367090-2。 
  • ホビージャパンMOOK『宇宙船別冊 仮面ライダー怪人大画報』 2007年12月18日発行
    • 『宇宙船別冊 仮面ライダー怪人大画報2016』ホビージャパン〈ホビージャパンMOOK〉、2016年3月28日。ISBN 978-4-7986-1202-7。 

外部リンク

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