フェリクローム

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フェリクローム

フェリクロームが鉄原子(橙)を捕捉している様子のイメージ

N-[3-[4,16-ビス[3-[アセチル(オキシド)アミノ]プロピル]-2,5,8,11,14,17-ヘキサオキソ-3,6,9,12,15,18-ヘキサアザシクロオクタデ-1-シル]プロピル]-N-オキシドアセトアミド; 鉄(3+)

識別情報
CAS登録番号 15630-64-5 チェック
PubChem 27424
  • CC(=O)N(CCCC1C(=O)NC(C(=O)NC(C(=O)NCC(=O)NCC(=O)NCC(=O)N1)CCCN(C(=O)C)[O-])CCCN(C(=O)C)[O-])[O-].[Fe+3]
特性
化学式 C27H42FeN9O12
モル質量 740.52 g/mol
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

フェリクローム(Ferrichrome)とは環状ペプチドの一つである。原子と配位結合錯体を形成することを最大の特徴とする。自然界ではある種の微生物によって合成され、シデロホアとして機能する。3つのグリシン残基と3つの改変オルニチン残基(ヒドロキサム酸残基[-N(OH)C(=O)C-]を持つ)から構成される。環境中の鉄との錯体形成の際には、3つのヒドロキサム酸の計6個の酸素原子が鉄(III)と結合し、ほぼ完全な正八面体の構造となる。

フェリクロームは1952年に初めて単離された。このとき、アスペルギルス属Aspergillus)、ウスチラゴ属(Ustilago)およびアオカビ属(Penicillium)の真菌から合成されたものが分離された[1]

脚注

  1. ^ Ferrichrome, Virtual Museum of Minerals and Molecules, University of Wisconsin